無題

　最近の若い者は、物事の道理とか世の中の仕組みとか、考えたことがあるのだろうか。
吾輩も、こう云うことを言っても違和感が無い年齢になった。ここで言う若い者とは年下の者すべてである。

　人は万物の霊長などと言って良い気になっているが、個々の能力は猿や犬や猫に劣っているかも知れぬ。例えば災害などでライフラインが長期間分断されたときに、生き残れる能力があるのか。野生動物と遭遇したときに一対一で闘って勝てるのか。

　人間が他の動植物より優位にあるのは、文化・文明が継承されて来たからである。
幾世代、幾十世代、幾百世代、幾千世代にも渡って伝えられて来たからこその繁栄である。

　例えば女子高生の如く特殊な言葉・言い回し、田舎言葉の様なイントネーションの言葉を多用して、前の世代との断絶を図れば文化は途切れてしまう。

　道を歩いて譲り合うことをせず、オートバイ・車が来ても真ん中を歩き、まるで世間知らずの姫様の様な婦女子。自転車に乗れば、自身を歩行者と思い込み右側を走り、歩行者がいても避けようとはせず。

　その他、聞き及ぶに学級崩壊だとか給食代不払いだとか何だとかかんだとか・・。
猿の脳味噌よりも腐っていることは間違い無い。

　政治家だけじゃ無い、国民全員のレベルが落ちているのだろう。
だから、狆が日本犬であること、しかも国犬であること、江戸期に繁栄していたことなど、皆目知らぬ。

　そして、犬を買うときは、赤ん坊のときに買う。二ヶ月三ヶ月を過ぎた犬を買う何ぞは馬鹿なこと・・と考えているようだ。これは、吾輩が五十代のときに四十代の者から聞いた。

　八百屋で蜜柑が売れ残ったらどうなるか・・ジュースにする。
勿論そうでは無い。ジュース用の蜜柑は、見栄えの悪い物、小さい物、大きい物など店頭に並ば無い物を選別して使用している。
　売れ残った蜜柑は、八百屋自身が食べるか捨てるしかない。

　賞味期限の切れた牛乳・・これは回収して低脂肪乳とか乳製品（チーズとかバターとか・・ヨーグルトはどうだろうか）にする。
　肉や魚は、惣菜とか揚げ物或は期限のシールを張り替えて再販売・・！？

　じゃあ、子犬はどうする。
売れ残ったシェルティの6ヶ月の子・・二ヶ月のコリーの赤ちゃんですと言って販売。

　客『何だか、この子ちっとも大きくならないんですけど・・』
　店員『そうですか、ひょっとすると新種のミニチュアコリーかも知れませんね。最近まれに生まれるらしいですよ』

　シェルティは良いけど、狆はどうする。
　繁殖屋『新種のジャイアント狆ですね』
　客『まあ嫌だわ、お返しします』

　そうそう、最近は小さな犬が好まれる。自分の産んだ子も可愛らしく小さく育てるのだろう・・。

　結局南極・・一匹の子犬の蔭に何匹が犠牲になるのだろうか・・。

　さて、わが家にも多くの売れ残りが・・。
しかも寝耳に水のアパート解体。

　持ち家じゃ無いのに繁殖してはいけなかった・・全くその通り。
でも、溺れる者は藁をも掴む・・必死で生きて来たら、こうなってたのです。

　売れ残り、犬の場合は・・マックでハンバーガーの材料になる、サブマリンドッグの具になる。和太鼓の皮になる。

　わが家から三キロ程行ったところに豚舎とか牛舎とか鶏舍とかあり。
豚とか牛とか鶏とかをペットにしてる人はどんな気持ちなんでしょうか。

　ここに来て頂いている方々は、そんなことは無いでしょうけど・・・
わが家の売れ残り・・ある日いなくなっても、決して吾輩を後ろ指ささないでくだされ。

　商売と云うのは赤字になっては潰れてしまう。長期在庫は飼育費が嵩むだけ。
商売上手は、在庫は直ぐ処分。わが家は商売人にはなれぬので、長期在庫だらけで・・また、藁を掴もうともがいている・・。